蜂の子に関する食用と薬用の歴史について

良質なタンパク質をはじめ、ビタミンB群やビタミンC、ミネラル類や脂肪酸など多くの栄養素を含む蜂の子は、滋養強壮や疲労の回復などに優れた効果を発揮する食品です。
栄養成分の科学的な分析が現代ほど明らかにされていない古い時代から、蜂の子は身近なタンパク源として食用とされただけでなく、薬用にも活用されてきた歴史があります。
この記事では、古くから食用や薬用として重宝された蜂の子の歴史についてご紹介します。

食用としての蜂の子の歴史について

世界的な視点では昆虫を食用にするのは珍しいことではなく、日本以外の多くの国でも豊富なタンパク源として常食されてきました。
ここでは、食用としての蜂の子の歴史についてご紹介します。

日本における食用の歴史とは?

日本で蜂の子を食用にする習慣が存在することが明らかになったのは、1919年におこなわれた昆虫食に関する調査(食用及薬用昆虫に関する調査)の報告によるものです。
その当時、全国的に主に食用とされたのはスズメバチの幼虫で、地域によりさまざまな調理法が用いられていました。
例を挙げると、岡山県では生のまま食用にし、埼玉県では炭火であぶってしょう油や味噌をつけ、鹿児島県では鍋で煮込んで食べていたといいます。
また、太平洋戦争時には、北海道から九州まで各地の昆虫食の中でも、もっとも利用の頻度が高かったという報告もあり、全国的な食糧難をまかなう貴重なタンパク源として重宝されていました。
現代でも長野県や岐阜県、静岡県や山梨県、愛知県や岡山県などの山間部を中心に、各地で栄養の豊富な郷土料理として食されています。

日本以外の国での食用の歴史とは?

現代人の多くが抵抗感を覚える傾向にある昆虫食は、前述のように世界的には決して珍しくはなく、日本以外の国でも古くからつづけられてきました。
最古の歴史では150万年前の東アフリカで食用とされた記録が残っているほか、古来メキシコやエクアドル、ルーマニアなどの国で貴重なタンパク質の補給源として常食されています。
また、タイでは古い時代から現代にかけてミツバチの巣とともに一般的な食材として扱われ、一流ホテルで提供されるメニューにも採用されています。

薬用としての蜂の子の歴史について

中国における薬用の歴史

また、蜂の子は古くから薬用としても珍重されてきた歴史があります。
蜂の子についての記述があることで知られるものには、約2000年前の中国で著された、最古の薬物学書とされる『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』が挙げられます。
この薬学書では、さまざまな生薬を薬効と安全性別に『上品(じょうほん)』・『中品(ちゅうほん)』・『下品(げほん)』の3つの位に分類し、それぞれを解説しています。
その中で『蜂子(ホウシ)』と記された蜂の子は、「生命を養うもので身体を軽くして元気を増し、不老長寿の作用があり、無毒で長期間の服用ができる」という最高位の上品として評価されています。
具体的な効能には、頭痛がする人や衰弱した人、内蔵機能が低下した人の改善効果や、長期間の服用で皮膚や顔に色つやを与える効果、加齢による老化を防ぐ効果などが挙げられています。
また、中国の明の時代に著された『本草綱目(ほんぞうこうもく)』にも蜂の子について記した箇所があります。
薬用となる動植物に関し、博物学的視点を含めて編纂されたこの書の「虫部(昆虫編)」によると、『神農本草経』で挙げられた効能に加え、心腹痛や黄疸、皮膚の感染症や風疹、婦人科系疾患や便秘、梅毒などの症状にも有効とされています。

ルーマニアでの薬用の歴史

中国以外の国では、古くから蜂の子を食用にしているほか、『アピセラピー』という概念を持つルーマニアが挙げられます。
アピとはラテン語でミツバチを意味する言葉で、ヨーロッパを中心に伝統的な健康法として世界に広がっていったのが、ミツバチの生産品を用いて治療をおこなうアピセラピーです。
1940年代の半ばごろから、世界中で科学的研究の対象として扱われるようになって以降、蜂の子が含む豊富な栄養素やその有益性が解明されることになります。
養蜂の盛んなヨーロッパの中でも、特に養蜂大国であるルーマニアでは1930年にミツバチの生産品を研究・開発する機関の『アピテラピア』が設立されています。
そこでは人体の健康に貢献するため、ミツバチの生産品を食品や化粧品などに製品化する商品開発や、有用成分の分析などがおこなわれているといいます。
国を挙げてのミツバチ生産品の科学的研究に積極的に取り組んできたルーマニアは、アピセラピー先進国ともいえるのです。

蜂の子の歴史のまとめ

上記のように、蜂の子は古くから世界各地でタンパク源として食用にされてきたほか、薬用としても効果や効能が認められ、現代でもその有用性に関する研究がつづけられています。
特に前述以外の薬用では、30ヶ国以上の数百名の医療関係者による臨床での経験や研究報告に基づく文献の中で、病後の回復や精力減退の改善、心臓や腎臓疾患、神経衰弱などに関する治療に有効として、これらの症状の改善例が見られることを報告しています。
このように蜂の子は、さまざまな可能性を内包した存在として、世界各地で食用と薬用に活用されてきたのです。

【参考URL】
大昔から食されている蜂の子の可能性
https://meteorserver.org/article2.html
蜂の子っていつから食べられるようになったの?どれくらい歴史がある?
https://www.eurolupa.org/search-engine-optimization-tips-for-your-success/